バベシアは赤血球に寄生する原虫で、いくつかの種類があります。
その中でも日本(特に西日本)で問題となるのがBabesia gibsoniという種類です。
このバベシアは主にマダニ(外部寄生虫)によって媒介されますが、ときに輸血や闘犬時の血液の接触でも感染する恐れがあります。
症状としては溶血性の貧血、血小板の減少、脾腫を呈する事が多く、発熱や炎症反応を示す事もあります。
これに伴い、元気消失や食欲不振、血色素尿、黄疸、粘膜蒼白などが認められるようになります。
診断は血液塗抹での直接確認と遺伝子検査が主となります。
治療は駆虫薬と抗生剤の使用での内科的治療となります。
この病気は悪化すれば命に関わることもあります。
マダニの寄生が感染の原因として大きいことから、日頃からの外部寄生虫予防が大切となります。

京都中央動物病院
文責 獣医師 松野成泰